パート・ド・ヴェールの華やぎ石田家のガラス
2022.9.1~9.30
色ガラスの粉を型に詰めて焼くパート・ド・ヴェール技法の起源は古代メソポタミアに遡りますが、この技法で薄造りの軽やかな作品を生み出したのが、京都・石田家の作家たちです。いわゆるアールヌーヴォー調の重厚なものとは異なり、白を基調に繊細優美な模様を展開する石田亘、古典模様に明るい色調を取り入れ表現する妻・征希、斬新なフォルムに涼しげな模様を組み合わせる長男・知史。とりわけ蓋物(筥)はそれ自体が宝物の如く清明な輝きを放っています。
(本展監修者/外舘和子・多摩美術大学教授)
石田亘
1938年 大阪生まれ
2000年 日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞
2007年 「CRAFTING BEAUTY IN MODERN JAPAN」(大英博物館)
2009年 京都府指定無形文化財「鋳込み硝子」保持者
所蔵 東京国立近代美術館/薬師寺
八角蓋物 華の詩
筥 華の祈り
石田征希
1943年 大阪生まれ
2000年 日本伝統工芸近畿展京都新聞社賞(’07日本工芸会賞)
2009年 日本工芸会諸工芸部会展日本工芸会賞
2011年 日本伝統工芸近畿展鑑査委員
所蔵 宮内庁
蓋物 春待ちて
小筥 鴛鴦文
石田知史
1972年 京都生まれ
2003年 日本伝統工芸展朝日新聞社賞(’06日本工芸会総裁賞)
2006年 京都府文化賞奨励賞受賞
2013年 第33回伝統文化ポーラ賞奨励賞
筥 風光る
筥 水面の煌めき